作文コンクール応募に向けた8つの支援

作文コンクール応募に向けて、周囲の指導員や同僚はどのような支援ができるでしょうか。

今年も作文コンクールの募集要項が発表されました。今年こそうちの技能実習生にも応募してもらいたいと考えている方も多くいらっしゃることでしょう。せっかく書くなら良い作文を書いてもらいたいものですが、技能実習生に良い作文を書いてもらうには、作品応募までの過程で、周囲はどのように働きかけたら良いでしょうか。

作文を書くことで得られることは?

そもそも、技能実習生は作文を書くことで何が得られるのでしょうか。もちろん入賞賞金は魅力的ですが、その他にも作文を書くことで得られることはあります。技能実習生にとって外国語である日本語でまとまった長さの文章書くことは決して簡単なことではありませんが、作文を通して、曖昧に使っていた日本語の意味がはっきり理解できたり、辞書等を使っているうちに新しい言い回しを見つけたり、その他に、日ごろ思っている事を日本語で表現できたという達成感を味わえることも、賞金や賞状だけではないメリットだと言えます。

また、技能実習生の周囲の人々にとっても、作文を読むことで、あの技能実習生はこんなことを考えていたのかといった発見がありますし、作文を仕上げていく段階で技能実習生とコミュニケーションを取る機会が増え、よりよい関係の構築につながることはメリットと言えるでしょう。

以下に良い作文のための支援のポイントをいくつかまとめてみましたので参考になさってください。

動機づけ

① 技能実習生に作文コンクールの情報を伝えて動機づけしましょう。

最優秀賞、優秀賞、優良賞の受賞者は10月に東京で開催予定の表彰式に招待されます。また、全ての入賞者(最優秀賞、優秀賞、優良賞、佳作)には賞金が授与され、作品が作品集に掲載されます。また、応募者全員の氏名が作品集に掲載されますので、入賞を逃したとしても、日本での生活の良い記念になります。各国語に翻訳された募集案内はこちらで見られる他、「技能実習生の友」にも掲載されますので、技能実習生の言語で翻訳された募集案内を渡してよく周知するとともに、原稿用紙を何枚か渡すと、いつでも書き始めることができます。(原稿用紙はこちらからダウンロードできます。)

良い作文への工夫

② あれこれ羅列せず、題材を一つに絞って書くことが第一です。

良い作文の第一のポイントは、題材を絞って具体的に書くことです。作品を審査していると、例えば「日本に来て、悲しいこと、つらいこともいろいろありましたが、楽しいこともたくさんありました」というような文をよく見ますが、現実にいろいろあったとしても、例えば「悲しいこと」のうちの一つのエピソードにしぼって、何が起こったか、誰が何を言ったか、どう思ったか等を具体的に書くと良いのです。日本での生活を振り返っているうちに、他の悲しいこと、つらいこと、楽しいことなどもいろいろ書きたくなるかもしれませんが、ぐっとこらえて一切触れないほうが良い作文になります。

③ 自分にしか書けないことを具体的に書きます。

「お花見は楽しかったです」「日本は道路がとてもきれいです」というような簡単で短い感想は、たくさんの人が同じようなことを書きそうです。実際、審査をしていると、大量にお目にかかります。良い作文にするには、そこから一歩踏み込んで、例えば、お花見が楽しかったのは誰とどんなことをしたからかとか、道路がきれいな理由を会社の人に聞いてみたとか、自分にしか書けない具体的な体験と結びつけて書くことが大切です。

④ タイトルを工夫しましょう。

作文では、タイトルも大きな役割を果たしています。「私の生活」「日本の想い出」のようなざっくりしたタイトルでなく、これはどんな内容だろうと、読み手が読みたくなるようなタイトルで、もちろん作文の題材にぴったり合ったものが良いタイトルです。良い言葉を見つけられるようアドバイスしてあげてください。

⑤ 作品を提出する前に、募集規定をよく確認しましょう。

いくら作文の内容が良くても、コンクールの募集規定に外れていては台無しです。例えば、作文の分量は原稿用紙3枚という規定ですから、原稿用紙2枚でも4枚でも規定外で審査対象外となってしまいます。応募の前に規定をよくご確認ください。

良い作文につながる日頃のサポート

⑥ 日頃から日本語を書く機会を作って、書くことに慣れておきましょう。

いきなり原稿用紙3枚の作文と言われても、書き慣れていないと途方に暮れる分量です。日頃から、ノートに2~3行でも自分の言葉で日本語を書いていると、コンクール用の作文にも取り組みやすいはずです。周囲の人は、文法の間違い等を添削するよりも、コメントやちょっとした質問を書き込むことをおすすめします。そうした言葉を読むことが技能実習生の楽しみの一つとなり、書くことに楽しさを見つけられるようになります。

⑦ 良い作文には日常の声かけも大きな役割を果たしています。

これまでの優秀作品を読むと、受入れ先の日本人の言葉に端を発するエピソードがよく登場します。作文のためというわけではありませんが、日頃の働きぶりや生活の様子をよく見て声をかけていると、思いがけない言葉が技能実習生の心に残り、作文の良い題材になることがあります。

⑧ 優秀作品集を利用して良い作文のイメージをつかみましょう。

優秀作品集を利用して、過去の優秀作品を一緒に読んでみるのも良いアイデアです。題材の取り上げ方、話の進め方、具体的な表現等、参考になることがたくさんあるはずです。作品を読むことで、あ、自分にはあんなことがあったと、題材を思いつくきっかけになることも期待されます。


それでは多数のご応募をお待ちしております。